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為す「術」の無い”永遠”の迷路

No.741
開始 2004/01/07 12:09
終了 2005/01/07 12:08
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ha?????

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凄く面白いです!!表現とか最高です

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下手クソクソ

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頑張るのでよろしくお願いします!byきゆ

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きゆ

「術」第17話 更新遅れて本当にごめんなさい。

決めた。
すべりの悪い扉を開け、階段を駆け下りる。
時間的に、丁度運動部の部活が終わった位だ。僅かに廊下にざわめきが響く。
急げ。
心にそう言い聞かせ、残り数段の階段から飛び降り、踊り場を駆け抜けてく。
途中走ってくるあたしに驚いたように目を見開く生徒達の横をすり抜け、先生に掴まりそうになりつつも必死で走る。
「―――――・・・・っ・・・!」
急げ。
急げ急げ急げ急げ・・!
どんどん早くなる鼓動を落ち着ける事など当然で出来ず、1階にたどり着くなりスピードを上げ、数人の生徒に睨まれつつも、もう目と鼻の先の玄関の曲がり角を――――・・
――ドンッ!!
「って!」
スピードが付いていたためか、ぶつかった反動で体が仰け反る。
転びそうになった所をなんとか食い止め、角から現れた人を見上げる。
「・・・・・・・」
(―――――――・・・げ!!)
一気に顔が青ざめた。
足の裏から血の気が失せてく。
「・・・・・・・・・・・君、」
「え、うあ、は、はいっ!?」
あからさまに怒った様子の声。
まずいとばかりに肩を竦ませ、あたしの目の前に立つ人を窺うように見やる。
・・・なんでよりにもよってこの人なのさ・・。
運の悪さに絶望し、軽い眩暈を起こす。
「・・・・・・廊下を走るなんて小学生のやる事だ。その上人にぶつかる等、君は何を考えているんだ?」
「・・・・・・・・・・・・・」
出たよ。学校名物、会長のお小言。
あたしは壇上で熱心に喋る人になんて興味ないから、集会のときもあんまり見ていない。
が、この会長のお小言は軽く5分は続くとか続かないとか。・・そんな事を友達から聞いた。
急いでるのに。
助けに。もっとも、あたしなんかが行っても意味が無いのかもしれないけれど。
何もしないよりは、多分・・いや、絶対にマシ。
なのに。
「ちょっと君、本当に反省しているのか!?その上履きの色は2年生だな・・。仮にも先輩が、学校の基本ルールを破っていいと思っているのか!?」
「・・・・・・・・・いえ、あの、」
「言い訳なんぞ聞かん!いいか、これは誰でも守れる基本中の基本だ。走って自分が怪我するなら勝手だが、他人にぶつかる上今だ謝らないなどどういう神経を―――――」
「会長」
「!」
遮るようにして、凛、と響いた声に、あたしは反射的に振り向く。
(・・・・・・・・・あ)
そこには、見慣れたメタルフレームの眼鏡を掛けた女子生徒。
見るからに気の強そうで、そして綺麗で大人びた顔立ちをした人。
「・・・・・・・・・・・沙紀!」
「・・・・・・・会長、本当に私用ですがこの子はちょっと急いでいるので、ご説教はまた今度にしてもらえませんかね?」
「・・・・・・・・・・あ、」
「もちろんこのまま見逃せなんて言ってません。会長が多忙なら私自ら叱っておきます」
「・・・・・・・・・・・・」
有無を言わせない態度。
いつもに増して鋭い眼つきが会長に向けられ、あたしまでも身を縮める。
さすがの会長の沙紀のこのオーラに刃向かえないらしく、言葉を苦々しく飲み込んだ。
「・・・・・上條君がそう言うなら・・この女子生徒の風紀指導は上條君に頼んで良いかね・・・・・」
完全に負けてるよ、会長。
助かったとばかりに視線で沙紀に礼を言い、こっそり会長の横脇をすり抜ける。
あぁ、そう言えば沙紀って来年の会長候補にって、今の会長に推薦されてるんだっけ。
相変わらず軽く流した沙紀に心から礼を言い、玄関を飛び出る。
急げ。
あたしが考えた限り、市原はあの雑木林の「神隠し」と関係が有る気がする。
  *
「―――――――ったく・・」
何してるんだか、と沙紀は小さく息を吐いた。
少しずれた眼鏡を掛けなおし、自分の前からすごすご去っていく会長に背を向けて歩いてく。
「・・・・・・・・・あの資料にあった通り、最終的に恨みも嫉みも自分にくるって事、判ってるのかね・・・」
呆れたように、沙紀は再度息を吐く。
右指の包帯を見、気に喰わないように眼を細めた。
[No50] 2004/03/02 16:27info


「術」第16話

助けて。
本気で全身が悲鳴を上げた。
包帯から、手首から滴る鮮やかな血に鳥肌が立つ。
目を瞑って拒絶したくて、でも体は動かなくて。
―――ざわ、
一筋の風が吹く。
涼やかな風は樹木の葉を揺らし、あたしの髪を靡かせ、赤く染まった包帯を浮かせる。
「・・・・・・・・・・・・・っ・・・・・」
突然、風はぴたりと止む。
飲み込んだ息と同時に痛みは引いていき、傷はただの掠り傷に戻る。
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
吹きぬけた風が、恋しい。
さっきの激痛が夢ではないかと思うほどに、前触れ無く、激痛が何処かへ消え失せた。
けれど、赤く染まった包帯が存在をこれでもかと強調してる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
屋上から見える景色は、まるであたしを嘲笑うかのように人工的で。
けれどその中に、ひとつだけ残された自然が有る。
・・雑木林。
唐突に泣きたくなり、嗚咽(おえつ)を上げて、血生臭さに咳き込んで、ひたすら泣き喚く。
その瞬間だけ、世界の音が消えた気がした。
  *
――く・・ふふ・・・・・っ・・
笑い声。
重苦しい声にのっそりと顔を上げると、そこには小さな少女があたしを見下ろして立っていた。
あたしは地面に倒れこんでいた。
そんなあたしの前に、その少女はただ立っている。
別に何をするわけでもない。
ただ、静かに、立っている。
・・・あれ。
不意に思い浮かんだ疑問に、目を見開く。
どこかで見たような少女。
長い長い漆黒の髪を持ち、前髪を真一文字に切り揃え、淡い紅色の瞳を―――――・・・
―――が、考え込もうとした瞬間、あたしの背筋に冷たいものが走った。
寒気に似た、感覚。
ぎょっとして伏せていた顔をまた上げると、少女は酷く穏やかな目であたしを見ていた。
・・なのに、何で寒気がするんだろう?
今にも考えようとしていたさなか、突然敵意に満ちた視線があたしを貫き、次の瞬間には消える。
四方八方。そこに存在するもの全てから、敵意を向けられたような気がした。
視線を反らす。
少女をこれ以上見つめる事が、この上なく、恐い。
ふ、と顎に小さなものが掛けられる。
それは少女の白く小さな指だった。
動く事は出来ず、少女の指があたしの顎を滑る。
ぞわ、と全身の毛が総毛だった。
――『逃がさないよ』
宣戦布告にも似た、言葉。
どういう意味かと問いかけようとした時――――・・少女の体が空気に溶けた。
唖然と地面に張り付いたまま、あたしは固まる。
言葉を失って。
  *
「―――――――――っ!?」
バネのように、勢い良く起き上がる。
鈍っていた神経が一気に蘇る。
何事かと辺りを見渡すと、見慣れた学校の屋上だった。
・・・あぁ、あたし寝ちゃったんだ?
そう納得し、息を吐く。
夕陽が今にも落ちようとしていて、微かに暗い。
重たい体をゆっくりと起こし、あたしは屋上を後にした。
・・・そして、ひとつの決心をする。
[No49] 2004/02/19 20:33info

きゆ



きゆ

こんばんは。

こんばんは。きゆです。
えっと、15話あたりなんですが・・・、今誤字脱字等が無いか見直したら、本当にホラーっぽくなっているのに気が付いたんです・・。
苦手な方には本当に申し訳ないです!!
載せといて今更気付くなんて、もうどうしようもない失態をしてしまったんですけど、どうか許してください。
ホラーやグロいものが苦手な方は、気分を悪くされたと思います。
心から謝ります。すいません。
こんなんでも続きを楽しみにしてくれる方が居たら嬉しいです・・。
けれど書き始めたからには完結させたいので・・!
では。
[No48] 2004/02/14 23:22info


切れてすいません・・。15話の続きです。

心の叫びは当たり前に届かず、黙り込むあたしにクラスメイト達は軽く眉を潜める。
僅かに震えていたあたしの体に1人が気付き、はっと吐き出そうとしていた息を飲み込んだ。
バレた・・・?
そんな考えが頭をよぎり、どうしようもない不安が襲う。
「――――――――あお、」
「・・・・・・・やめて――――――ッッ!!!!!!!」
青桐。そう言い終わる前に、あたしは絶叫していた。
こんな大声が出るのかと自分の事なのに呆気に取られ、しばらく固まる。
空気が一瞬にて重くなった。
「・・・や・・・・・・・・・・・嫌だ・・・・・・・・」
「ちょ・・っ!?」
拒絶するように首を振り、立ち上がって足を後ろに退く。
途端に数人のクラスメイトの表情が変化する。
同時にあたしの理性がじわじわと失われてく。
バレタ。
そう感じた瞬間、あたしは凄まじい勢いで机や椅子を蹴散らし、教室から飛び出ていた。
廊下を物凄い勢いで走り抜け、何人かの生徒にぶつかりながら、必死で階段を駆け上がってく。
たどり着いた扉を開け放ち、身を放り出し、乱暴に扉を閉める。
「っはあ・・・・はあ・・・っ・・は・・」
荒い息が生温い空気に溶ける。
力尽きて壁に寄りかかり、伝うようにして座り込む。
見開いた眼は瞬きすらしなかった。
途端に教室の皆の表情が脳裏に蘇り、ぐっと息を飲み込む。
一筋の風が吹き、異常に熱くなっていた体をそっと冷ましてく。
が、心がどうしても落ち着かない。
バレタ。バレたバレたバレたバレたバレた・・・!!!!
全身が悲鳴を上げる。
そして偶然か必然か、丁度ピッタリに左手を激痛が走る。
「っ・・・っ・・・!!」
抑えた手首からは血が滴っていた。
していたはずの包帯は完全に役立たずになり、白は見事に深紅に染まる。
あの傷が蘇った。
「・・あ・・・・。・・や・・いや・・・っ。・・・・や、だ――――――――!!!!!!!!!」
耐えがたい痛みが手首から左腕全体に伝わる。
息をするように、脈打つように、左手が跳ね上がった。
[No47] 2004/02/14 23:08info

きゆ



きゆ

「術」第15話

市原が消えた。
担任も、最初はあまり気にしていなかった。「なんだ、珍しいな」と小さく声を漏らしただけ。
あたしが知る限りでは、市原が休んだ事はあまり・・否、全く無かったような気がする。
日が経つにつれ仄かなざわめきは完全に騒ぎへと変化し、クラスメイト達は口を開けば市原の話題ばかり。
あたしはどうする事も出来ず、ただ、騒ぎ出すクラスに背を向け、拳を力いっぱい握り締める。
力のこもった拳に汗が滲み、小刻みに揺れる。
『市原ってさぁ・・・・』
『何、家出?うわー・・』
『俺噂で聞いたんだけどさぁ、市原の家って何か複雑なんだって』
皆好き勝手な事ばかり口走って。
でも何も出来ないあたし自身が、無性に悔しい。
噛み締めた唇には痛みが走り、けれどそれをあえて無視して左手を持ち上げる。
「・・・・」
「・・・・・・・・・・・芳?」
「!!」
不意に投げかけられた言葉に咄嗟に振り返ると、いつの間にか沙紀が前の席に座っていた。
「・・・・・・あ・・」
「・・・・・・・・ったく、本当に皆勝手な事ばっかり言ってるよ。嫌になる。・・いい加減にして欲しいよ」
『なぁ知ってる?市原が最後に見かけられたのって学校なんだって』
『あ、あたしそれ知ってる!確かその時もう1人誰か居たんでしょ?』
あたしの後ろを通りかかったクラスメイトたちの会話が耳に入る。
――ドクン、
途端に心臓が大きく脈打ち、僅かな冷や汗が額を伝う。
あたしの事だ。
そう確信し、更にどうしようもない罪悪感があたしを支配してく。
『それが誰なのかは知らねぇけどさ・・そいつその時止めれば良かったのになぁ?』
『はは、そりゃ無理だろ。市原が居なくなる宣言してる訳でも無ければなぁー』
はは、と小さな笑い声がリアルに頭の中に響き渡る。
そうだよ。市原はあたしに言った。
あたしはその時確かに居た。
市原はあたしにちゃんと言った。
居なくなる、って。しばらく学校には来ないって。
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
・・”しばらく”?
「・・・・」
突然しかめっ面で無言になった沙紀が、軽く俯く。
沙紀が考え事をする時の行動だ。・・付き合いが長いからそれ位判る。
眼鏡をかけ直し、沙紀は唐突に顔を上げた。
(!)
反射的に肩が竦み、何を言われるのかと姿勢を正す。
―――が、沙紀は何を思ったか席から立ち上がり、話し込んでいた男子のグループの横を通り過ぎ、教室から大股で出て行く。
「・・・・・・・・」
あたしは瞬時に確信する。
判った、んだ。
そう確信した瞬間、今度は沙紀に対しての罪悪感が増える。
沙紀が感付いた。完全に判った訳ではなくとも、確かに感付いた。
震える掌が、頭を抱える。
無造作に髪を崩し握る。
ぐしゃ、
髪が崩れて掌に掴まれる音がする。
同時に鼓動がどんどん早くなり、いつもなら考えられない程の速さで脈打つ。
冷や汗が指を伝い、手の甲を伝い、手首に伝って――――・・制服の裾に滲んで消える。
「―――――――――青桐?」
「ッ!!!」
突然掛けられた声に、無意識の内に肩が跳ね上がる。
恐る恐る振り返ると、そこには何も知らないクラスメイトの男子が居た。
その横には、あまり関わりがない女子も居る。
「青桐さん、どした?なんかすっごい顔色悪いけど・・・・?」
心底心配するように、女子の1人があたしに声を掛けた。
「・・そうだよ。お前信じられない位顔色悪いぞー?いつもならヘラヘラ笑ってるくせにさ」
「保健室行けば?まだ休み時間少しあるし・・・」
「行ってきたほうがいいんじゃ・・・・・・」
どんどんあたしに話し掛けてくる。
・・嫌だ。
話し掛けてこないで。
お願いだから放っておいて。
心の叫びは当たり前に届かず、黙り込むあたしにクラスメイト達は軽く眉を潜める。
僅かに震えていたあたしの体に1人が気付き、はっと吐き出そうとしていた息を飲み込んだ。
バレた・・・?
そんな考えが頭をよぎり、どうしようもない不安が襲う。
「――――――――あお、」
「・・・・・・・やめて――――――ッッ!!!!!!!」
青桐。そう言い終わる前に、あたしは絶叫していた。
こんな大声が出るのかと自分の事なのに呆気に取られ、しばらく固まる。
空気が一瞬にて重くなった。
「・・・や・・・・・・・・・・・嫌だ・・・・・・・・」
「ちょ・・っ!?」
拒絶するように首を振り、立ち上がって足を後ろに退く。
途端に数人のクラスメイトの表情
[No46] 2004/02/14 23:05info


「術」第14話

あたしが開けた窓から外の空気が溶け込むように入り込み、少しずつあの匂いは消えていく。
壁に滲んでいた誰のかも判らない血は、空気が入れ替わるにつれ色を薄めていく。
そして、完全に、血の色は消える。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なに、」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
唖然と腰を抜かした有紀が、あたしの服の裾を、きゅ、と握る。
大きく見開いた瞳が、元に戻った白い壁を見つめていた。
「・・・・・・・・・・・なに・・」
「・・・・・・・・・・・」
黙り込むことしか出来なかった。
何時の間にか手首の痛みは消え、血は乾いていた。
あの凄まじい猫の爪跡のような傷は、もうただのかすり傷に戻っている。
夢でも、見てるのかな。
そんな考えが浮かび、次の瞬間には―――・・消える。
  *
朝。
少しずつ登校してくる生徒達。
僅かにざわめく学校。
そんないつもの風景を恨めしい眼で見やり、昨日の出来事に重いため息を付く。
なかなか眠れなくて、こんなに早く来てしまった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ」
小さく聞こえた声。
訝しげに細めた眼で、何事かとゆっくり振り返る。
見覚えのある顔。
「・・・・・・・・・・市原?」
「・・・・・・・・・・・おう、」
少し緊張した顔で、市原が静かにあたしに歩み寄る。
昨日の真っ青だった顔色を忘れてしまうほどに、”いつも”に戻っていた。
「・・・・・・なに?」
「・・・いや、ちょっと。・・・俺、しばらく学校来ないからお前には言っとこうかなーと・・」
「は?」
言いたい事を上手く言葉に出来ないのか、市原が小さく唸って頭をかく。
もう既に半数以上の生徒が登校してきたらしく、校門には数人の生徒たちが歩いてくる。
「・・・・なんで?」
何故かあの雑木林に居た事から何からが不思議で、思わず睨むように市原を見上げる。
誰の所為だ、そう言いそうになり、関係無いと飲み込む。
「――――――――傷。手首の傷、治したいなら俺を止めんなよ」
「はぁ?」
意味が通じない。
「――――とにかく、俺はしばらく学校には来ない。・・あと手首の傷が痛んだら、絶対にあの場所に近づくな」
「・・・・・・・・・・・?」
意味が判らず首を傾げ、どういう事か詳しく聞こうと声を―――・・掛けれなかった。
言うだけ言って、市原が身を翻し、生徒たちに見つからないように小走りで去っていく。
「――――――え!?」
ちょっと待ってよ。
言おうとした言葉は、視界から市原が消えると同時に言えなくなり、伸ばした手を引っ込める。
傷が痛んだらあの場所へ近づくな?
・・・傷、手首の裏なんてリストカットでもしてるみたいで本当に嫌なのに。
結局最後まで判らないまま、教室へと急ぐ。
  *
「――――――――おはよ、沙紀。相変わらず早いねぇ」
「・・あぁ、今日は芳も早いでしょ」
「たまには早起きしたってバチは当たらんでしょ」
冗談半分に笑い、机の上にカバンを置く。
教科書類を机の中に無造作に投げ込み、カバンを机の横に掛け、一息付く。
「・・・・・どうした?・・・その手首の傷も」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
怪我の理由なんて判らないのに。
沙紀って、やっぱり目敏い。そう思い、半ば尊敬の眼差しで沙紀を見る。
「・・・・・・・・・・・・眠い」
「は?」
「眠い。眠い。もう駄目。眠いぃ・・」
我慢してた睡魔が完全に復活する。
神経を鈍らせて行き、瞼が重くなり・・机の上に突っ伏す。
沙紀のため息が、少しだけ聞こえた。
「・・・・・・・・安眠目前に悪いけどさ、特集、どうする訳?」
予想もしなかったその言葉に、思わず突っ伏したまま大きく目を見開く。
伺うように起き上がると、沙紀は軽く瞳を伏せ、眼鏡を掛け直していた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・ま、とりあえず別のものに変更かね」
苦笑い・・否、自嘲気味に、沙紀が口元に笑みを浮かべる。
  *
そして市原が、姿を消した。
あの朝言った通りに、学校へ来なくなった。
手首の痛みは治まっていて、あの激痛はまだ走ることは無い。
市原が、何日も何日も・・・何週間も、姿を消した。
[No45] 2004/02/12 16:12info

きゆ



きゆ

≫波風さん

はじめましてっ!きゆと言います^^
わざわざ読んでくださったのですか!?1話1話の字数が多い上13話まで来てるんで、大変じゃありませんでしたか・・・?
でも本当に嬉しいです!ありがとうございますっ!
怖い時がありましたか・・(笑)実は少し目指してたんで、全然失礼なんかじゃないですよvむしろありがたいですv
何度も面白いと言って下さって、本当に泣きたい位(ぇ)嬉しいです・・・!
しかも楽しみにしていてくれるのですか!はい、期待に答えるように、私なりに頑張ります!
いえいえ、応援してくれるのはすっごくありがたいですよv
ありがたいだ嬉しいだ何だかんだ言いすぎですが、是非またいらしてください!
ではっ!
[No44] 2004/02/07 15:40info


初めまして。

初めまして、こんにちわ。波風と言います!!
最初から読んだのですが…すごく、すごく面白いです!!そんな・・素晴らしい表現の仕方、私にはできません・・っ!!
読みながら、少し怖い時もあったのですが・・(失礼で・・っ。すいません;)それがまた…小説でゾク・・ッっと、くるなんて・・。凄いです!!
そんなこと、なかなか無いですっ!!そんな小説が書けるなんて・・凄いです。すごく、すごく…面白いですっ!!
私も、これを見習って・・頑張りたいですっ。と、いうか目標に・・頑張ります!!
これからも、楽しみに見ていきますので・・っ!!頑張ってくださいっ!応援してます!!(いえ、私が応援してもしなくても同じで上手いですが・・汗)
ではでは、また足を運ばせて下さいっ!!
[No43] 2004/02/07 15:20info

波風



きゆ

すいません、13話の続きです。

あたしの前では、有紀がまた絶叫する。
「嫌だ・・・・・・嫌だ嫌だ・・・っ!」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・長本が長本が長本が長本が・・・・・・っ!!!」
「っ!?」
『長本が、怒ってる』
聞き覚えのある名前に、瞬間的に顔を上げる。
肩で息をし、青白い顔をする有紀から、以前零れた名前。
「・・・・・・・・・・・長本って・・・?」
誰。
そう問い掛けた瞬間、有紀がぴた、と動きを止める。
抱えていた頭から手を静かに離し、きょとんとした顔であたしの方を見る。
「・・・・・・・ねえちゃん?」
「――――!」
「・・どうしたの、何かすっごく顔色悪いよ・・・?」
不安そうにあたしの顔色をうかがう有紀は、既にいつもの有紀だった。
今までの有紀が演技としか思えないような変わり。
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
呆然と有紀を見据えるあたしに、有紀が訝しげに目を細める。
「・・・・どうしたの?」
小首を傾げ、心の底から心配そうな瞳。
しばらく沈黙が走り、突然、
「――――――――――っわ!!!!」
と、間抜けな声を有紀が上げる。
それは、部屋一面の壁に滲み出ていた血への愕き。
激痛の走る手首を抑え、あたしはただ”いつもの”有紀を見つめていた。
[No42] 2004/02/05 15:06info


「術」第13話

少しグロいです。苦手な方、本当にすいません・・・・!
けれど話的に外せない所なので、申し訳ないんですが載せさせて貰います。
*******************************
血生臭い。
咄嗟に抑えた口。が、それは全く意味が無く、掌を通り抜ける様にこの悪臭は嗅覚に伝わる。
吐き気を感じ、新鮮な空気を求め、恐る恐る一番近い小さな窓を開け放つ。
ふわ、と入り込んでくる風。
窓の外に顔を突き出し、大きく口を開けて深呼吸をする。
荒くなる息はどうすることも出来ず、ただひたすらに新鮮な空気を求め、息を吐いては吸う。
「――――――っ・・・!」
収まらない臭いに目尻に僅かな涙が浮かぶ。
「・・・・っは・・・・・・っ・・・――――有紀!?」
有紀。
途端に思い出し、また吐き気に耐え、部屋に一目散に入り込む。
「・・・ゆ・う・・・き・!?」
返事が無い。
その異常なおぞましさに鳥肌が立ち、呆然とその場に立ち尽くす。
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
―――――がた、
「っ!」
不意に聴こえた物音。
音のした方を振り返り、探る視線を部屋全体に向ける。
「・・・・・・・・・・・・・・っ」
額を伝う冷や汗を拭い取る。
部屋の白っぽい壁に何故か滲んでいた血に、更に恐怖が煽られた。
「―――――――――!!!!」
居た。
佇んでいた。
部屋の隅――・・開いたドアの裏側の隅で、有紀はうずくまっていた。
頭を抱え込み、その小さな体をがたがた震わせ、うずくまっていた。
「・・・・・・・・・・・・・・ゆうき・・?」
この生々しい臭いの元凶と思われる壁全体に滲んだ血に寄りかかり、有紀はただ震えていた。
「・・・・・・有紀?」
顔を上げることすらしない有紀に不安を募らせ、そっと歩み寄る。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
沈黙。
抑えていた掌を離し、開け放った窓から流れ込む綺麗な空気を吸い込む。
窓から流れ出たあの臭いは失せつつあり、吐き気はおさまろうとしていた。
「・・・・・・・・・・・・」
尚も何かに怯える、有紀。
小刻みに震えている肩を抱え、頭を膝にうずませ、有紀はただ怯える。
「・・・・・・・・・・・・・・・有紀?」
背筋に走る悪寒。
そして、今まさに手を触れようとした時―――――――――・・・・・
――ぱしっ
伸ばした手は有紀によって叩(はた)かれ、うずめていた顔を一気に起こした。
「っ!?」
その瞳に宿る、何かを妬む感情。
今まで見たことも無かった有紀の表情に、僅かな恐怖が走る。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・有紀・・?」
「・・・・なんで・・・」
小さく小さく、呟く。
「なんで、なんで来るの・・・・・っ!・・もう嫌だ・・!」
「有紀!?」
突然意味の通じない言葉を叫ばれ、あたしは慌てて有紀の肩を抑える。
が、それさえも拒絶され、瞬間、有紀が唇を硬く噛み締める。
――ズキン、
「っ!!」
いきなり手首に痛みが走る。
ひとつの事に思い当たり、左手首の裏を見る。
「―――!!」
血。
息をするたび激痛が走る手首の傷には、いつのまにか血が滴っていた。
ただのかすり傷だと思っていた傷は、今では大きな猫の爪跡のようなものを作り上げている。
信じられない光景を目の当たりにし、全身の力が抜ける。
あたしの前では、有紀がまた絶叫する。
「嫌だ・・・・・・嫌だ嫌だ・・・っ!」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・長本が長本が長本が長本が・・・・・・っ!!!」
「っ!?」
『長本が、怒ってる』
聞き覚えのある名前に、瞬間的に顔を上げる。
肩で息をし、青白い顔をする有紀から、以前零れた名前。
「・・・・・・・・・・・長本って・・・?」
誰。
そう問い掛けた瞬間、有紀がぴた、と動きを止める。
抱えていた頭から手を静かに離し、きょとんとした顔であたしの方を見る。
「・・・・・・・ねえちゃん?」
「――――!」
「・・どうしたの、何かすっごく顔色悪いよ・・・?」
不安そうにあたしの顔色をうかがう有紀は、既にいつもの有紀だった。
今までの有紀が演技としか思えないような変わり。
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
呆然と有紀を見据えるあたしに、有紀が訝しげに目を細める。
「・・・・どうしたの?」
小首を傾げ、心の底から心配そうな瞳。
しばらく沈黙が走り、突然、
「――――――――――っわ!!!!」
と、間抜けな声を有紀が上げる。
それ
[No41] 2004/02/05 15:02info

きゆ


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