天体幻想曲
ヒドラと蟹


レルナイヤ地方にあるレルネアの谷の奥、アミモーネの沼地と呼ばれる沼がありました。この沼は、日照りの時に近くの村の農夫たちが使っていたのですが、ある日、この沼に首が9つもある水ヘビのヒドラが住み着いてしまったのです。ヒドラは立ち上がると人間の丈の15〜16倍にもなり、9つあるうちの1番大きな首は不死身だったのです。ヘラクレスの十二の荒行のうちの2番目はこのヒドラ退治だったのです。ヘラクレスは甥のイオラオスを連れて、アミモーネに向かいました。2人の姿を見つけたヒドラは、9つの首で襲い掛かってきます。ヘラクレスとイオラオスは必死で首を切りつけるのですが、ヒドラの首を落とすと同時に新しい首が生え、きりがありません。そこで、イオラオスはヘラクレスが首を落とすと同時にたいまつの炎で切り口を焼いてしまうことにしました。すると新しい首は生えてこなかったので、この要領で次々と首を減らしていきました。それを見ていたヒドラの友人である化けガニが助けようとして飛びだしたのですが、ギリシア一の力持ちといわれるヘラクレスのとっては敵ではありませんでした。ヘラクレスは化けガニをあっという間にひねりつぶすと、ヒドラの 残りの首も切り落としてしまいました。問題は最後に残った不死身の首です。首を切り落とすことも炎で焼いてしまうこともできなかったので、大きな岩でヒドラの首を押さえつけ土の中に埋めてしまい、ようやく倒すことが出来たのです。ヘラクレスを憎むヘラは、この時ヘラクレス達に立ち向かったヒドラと化けガニの勇気をたたえ、夜空の星にしたといいます。これ以後、ヘラクレスは猛毒であるヒドラの血を矢じりに塗り、携えるようになったそうです。


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