天体幻想曲
悲しきイオ


ある日、大神の后ヘラが、川岸にゼウスが愛らしい牝牛のそばに立っているのを見かけました。妬み深いヘラは、その牛を無理やりもらって、アルゴスを番につけました。アルゴスは全身に目が100もあって、昼も夜も眠らない怪人でした。牛となったイオは、父や姉妹が自分を捜しにきても、知らせることができず、ようやく角で砂地に「IO(イオ)」と書いて見せました。父は、娘の変わり果てた姿を見て、歎きましたが、すぐアルゴスに追い立てられました。そこで大神は、ヘルメス神を羊にばけさせ、牧神パアンのヨシの笛を吹いてアルゴスの100の目を眠らせ、首を切り落としました。執念深いヘラはアブを放ち、牛のイオはそれに追われ、あちこちに逃げ回った後、エジプトに上陸しました。それでヘラの怒りもようやく解けて、イオはもとの姿に戻り、そこの王妃となって幸福な一生を送りました。


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