| 黒海の岸にあったコルキアの王女メーデアは恐ろしい魔法使いでした。ギリシアの勇士ヤーソンが、この国で宝にしている金毛の羊の皮を取り戻しに来たとき、メーデアは勇士ヤーソンを助け、それを守っていた火竜を眠らせて、首尾よくこれを手に入れさせました。そして、ヤーソンは、メーデアを妻にしてギリシアに連れてかえりました。ヤーソンの父の王は、老年で弱りきっていました。すると、メーデアは、王を若返らせてあげるといって、竜の引く車で、遠い国へ飛んでいき、薬草を集めて戻ってきました。それを海辺の砂や、月夜にとった霜や、フクロウの首と羽根や、オオカミと羊のはらわたや、鳥の首やくちばしなどと、大きな鉢に入れてとろとろと煮ました。そして、老王を眠らせ、のどを切り裂いてその汁をつぎこむと、老王はみるみる髪の毛の真っ黒な若者になって起き上がりました。これを見て、王位をねらうヤーソンのおじが、「わしも若返らせてほしい」と言いましたが、メーデアはその娘たちをだまして、父を殺させ、大釜の中に入れてゆでてしまいました。この他にも恐ろしい魔法を使ったので、メーデアは追い出されてしまい、この時薬草の汁をまぜた鉢がこの星座になりました。 |