| 乙女座は農作の女神デメテルが左手に麦を携えた姿でした。これはゼウスの妹でシチリア島のすべてを支配している女神です。デメテルにはペルセフォネという娘があって、髪は金色でほおはリンゴのような紅でした。ある日島の草原で花を摘んでいると、珍しい大きな花を見つけました。ひとつの茎に100もの花が群がり、香りは島中を包むほどでした。娘はその花をとろうとして引き抜こうとしました。すると、急にその地面に穴があき四頭の黒馬を従えた青く陰気な顔の王が乗っていました。そして娘ペルセフォネをさらっていきました。これはゼウスの弟冥土の神プルトンでペルセフォネを地底の宮殿へ連れ込み、自分の后にしたのです。これを知ったデメテルは娘が冥土から帰るようにゼウスに訴えました。ゼウスは娘が冥土のものを口にしていなければ望みがあると、伝令の神ヘルメスを使いにやりました。プルトンは仕方なく承知しましたが、后が帰っていくときにザクロの実を渡したので、ペルセフォネは何気なくその種を四つ食べてしまいました。娘は冥土から帰りデメテルは飛び出し娘を抱きしめました。と同時に、枯れ果てていた大地はみるみる緑に覆われ草木が一斉に伸びはじめたので、喜びの声は天地にどよめいた。しかし、娘の話で冥土のザクロを4つぶ食べたとわかると母は再び絶望し、ゼウスに訴えました。そこでゼウスはペルセフォネに毎年8ヶ月は母のもとで暮らし、食べたザクロの数にあたる4ヶ月は冥土のプルトンのもとで暮らすことにさせました。このため娘がいない4ヶ月間は、母の女神は洞穴にこもったきりなのですべての植物も眠りに入り、この世は冬となるのです。 |