| ヘラクレスは、大神ゼウスとミケーネの王女との間に生まれた子です。ゼウスの正妻であるヘラは、アルクメネとヘラクレスをひどく憎み、まだ赤ん坊だったヘラクレスに毒蛇を放ちました。しかしヘラクレスは生後8ヶ月にもかかわらず、その毒蛇を反対に絞め殺してしまったのです。この失敗にヘラはひどく憤慨し、また同時に恐れをいだき、ヘラクレスに呪いをかけました。ヘラクレスはその後みごとな戦士に成長し、戦でめざましい手柄を立てて、テーバイ王クレオンの娘メガラを妻に迎えました。しかし、ヘラの呪いのためヘラクレスは狂気にとりつかれ、大切な妻と3人の我が子を火の中に放り込み、殺してしまったのです。狂気からさめたヘラクレスは、自らの罪を償うため、ミケーネ王である義兄のエウリステウスに、どんな困難でも身に受けることを誓いました。エウリステウスはヘラクレスを邪魔に思っており、普通の人ではとうていやりとげることのできない、十二の荒行を課したのです。この十二の荒行を10年で成し遂げたヘラクレスは、カリュドン王の娘ディアネラを妻に迎えましたが、のちにオイカリアの王女イオネーに心を動かされてしまいました。ディオネラは嫉妬して、過去に「浮気をしなくなる」といわれて、手に入れたケンタウルスのネスソスの血をヘラクレスの服にしみこませ、ヘラクレスに着せたのです。ところが、その血は浮気防止ではなく、ヘラクレスの体をしめつけ、命を奪うものでした。死期を悟ったヘラクレスは、オイタ山の頂上に薪をつみ、火を放って自らその中に横たわりました。勇士らしく、潔い最後に大神ゼウスは、ヘラクレスを空へ舞い上げ星にしたということです。ただ、なお続いたヘラの呪いのためその姿は天に逆さに吊るされてしまいました。 |