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火星は太陽系の第4惑星で、地球の軌道のすぐ外側を運動している。この星の特徴は、不気味なほど赤い色をしていること。血の色を連想させ、地球に近づくと明るさを増し、星々のあいだをまがまがしく移動するあいだに戦争が起きたところから、軍神の名をとってマルス(ギリシア神話のアレース)と呼ばれる。中国では、色が赤いところから焚惑(けいこく)と呼んで不吉な星としている。日本では,明治10年といえば,西郷隆盛が西南戦争を起こした年にあたる。西郷は、政府軍相手に半年あまりにわたり転戦したが力つき、9月24日、城山で自決した。実はこの年の9月3日、火星は大接近をし、−2.5等の明るさで輝いた。このことから、「巽の方に金色の星現はる・・・世人これを西郷星と呼ぶ」などといった錦絵が出回り、話題になった。以来、西郷星といえば火星を指すようになった。またこの年、火星の近くに土星が0.5等で光り、11月には2つの星の間隔が0度11分とくっつくように並んだ。そこで薩摩藩士の桐野利秋の名をとって、土星を桐野星と呼んだという。火星の赤道半径は3397kmで、地球の半分ほどの大きさしかない。一方、離心率は0.0934と割と大きいため、最大と最小で太陽からの距離に4300万kmも差が生じる。地球に接近するときも5600万kmくらいに接近することもあれば、1億km以上離れる接近もある。いわゆる大接近はおよそ15年ごと、そして小接近は2年1ヶ月ごとに起きる。火星は、金星とは別の意味で地球に似ている。自転周期は24時間37分22.67秒で、赤道の傾斜は約24度である。そのため季節の変化も生じる。しかし、太陽からの平均距離1.5237天文単位で、2億3000万kmも離れている。そのため気温は低く、火星面中央で7℃、全面の平均値は−23℃、南極冠は−68℃という測定値がある。また、マリナー9号による北極冠の温度は−133℃±10℃、旧ソ連のベネラ3号の測定では−113℃だった。火星にはフォボスとダイモスという2つの衛星が知られている。発見したのはアメリカのA.ホールで、1877年のこと。そのおよそ100年後、アメリカのマリナー9号などの惑星探査機で2つの衛星を測定した結果、いずれも表面にクレーターを持っていて、「じゃがいも」のような不規則な形をしていていることがわかった。それぞれの衛星の半径は、フォボスが13.5×10.7×9.6km、ダイモスが7.5×6.0×5.5kmと小さい。反射能はともに0.06で月よりも「黒く」、太陽系の衛星ではトップクラスに黒い月といえる。なお、平均等級はフォボスが11.3等、ダイモスが12.4等と暗く、見るだけでも口径20cmクラスの望遠鏡が必要である。大接近をしたときの火星を、口径10cm100倍の望遠鏡で見ると、赤い円盤像の南北に白く輝く極冠、それに大シルチスをはじめとする模様や、ときには大運河と呼ばれる模様が見えるようになる。
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