天体幻想曲
水星
Mercury

惑星名水星
学名Mercury
軌道長半径0.38710 AU
公転周期0.240852年
会合周期115.88日
軌道離心率0.20563
軌道傾斜角7.0049
近日点黄経77.4094°
昇交点黄経48.2953°
平均黄経89.0518°
視半長経5.50
赤道半径2440km
質量0.05527
平均密度5.43g/cm
赤道重力0.378
反射能0.11
平均極大等級-2.4
自転周期58.6462日
脱出速度4.25
平均受熱量667
大気のおもな成分なし
平均表面温度350〜-200℃
衛星数0



 水星は、太陽にもっとも近い惑星として知られる。太陽までの距離は0.387天文単位、すなわち平均で5791万kmのところを88日で1周している。ところが、離心率は冥王星の次に大きいため、太陽からの距離は6982万kmから4600万kmのあいだで変化を繰り返す。水星から見る太陽は、地球から見たときより2〜3倍大きく、光の強さは10倍になる。また4ヶ月に1度、地球と太陽のあいだを横切る。地球の内側を回る内惑星は、月のように満ち欠けを繰り返すが、地球からの距離が大きく変化するため、視直径の変化も大きい。地球からもっとも遠去かったときの水星までの距離が、2億2000万kmであるのに対し、もっとも近づいたときの距離は7900万kmになる。それに合わせ、視直径も4.8秒から13.3秒まで変化する。地球からは、水星は常に太陽にくっついているように見えるため、日没後の西の低空か、夜明け前の東の低空にしか見ることができない。日光に隠れがちなところから、辰星と呼ばれる。水星が太陽から離れる角度は一定で、太陽から東にもっとも離れることを東方最大離角、西にもっとも離れることを西方最大離隔という。近日点のころに最大離角が起きると、水星は太陽から28度も離れるが、近日点では18度しか離れない。東方および西方の各最大離角のときに望遠鏡で見ると、半月状の水星を見ることができる。東方最大離角から西方最大離角までの間隔は、およそ40日しかない。夕方の西の空に見えたからといって、のんびり構えていると、すぐに見えなくなり、いつの間にか東の夜明け前の空に回っていることに気づくことさえある。望遠鏡発明以前のポーランドの大天文学者コペルニクスは、一生のうちに1度も水星を見なかったというのは、よく知られたエピソードである。水星を見るには、天文年鑑などで、水星の位置を知っておくことが必要である。太陽の光をどれだけ反射するかという反射能は、水星の場合、月よりも低い6%しかない。それでも太陽に近いため極大光度は−2.4等になる。もし水星が夜空に見えるのであれば、シリウスを上回る光度なので、ギラギラ輝くことになるが、常に低空で、しかも薄明の状態でしか見えないため、輝星というかんじはしない。最大離角のころの水星は肉眼でもはっきり見えるが、太陽に近づいているときは、双眼鏡でもむずかしい。水星がもっとも明るくなるのは、三日月状のときで、このときに口径6〜8cmの望遠鏡を向けると、その形状を見ることができる。水星観測のポイントは、地上からの高度である。地上に近いほど大気の揺らぎは大きくなるからである。大型の望遠鏡では、昼間のうちから水星を探し出して観測するが、それでも表面の模様をとらえるのは簡単にはいかない。20世紀の初め、火星観測で活躍したフランスのE.M.アントニアッジは、水星面を精細に観測して「水星図」を作成し、模様に名前をつけた。このような模様を見るには、望遠鏡の性能もさることながら、習熟した観測眼が必要である。それから数十年後の1974年3月、アメリカの惑星探査機マリナー10号が水星に750kmの距離まで接近した。その後も数回、惑星探査機が接近して水星の高い精度のデータが得られた。送られてきた写真には、月の表面とよく似たクレーター、谷、盆地などが写し出されていた。探査機で得られたものは驚きばかりだが、小型望遠鏡で見る楽しさは別である。見かけのうえでは、水星は月のわずか170分の1の大きさしかないが、たそがれの空にゆらゆら揺れながら見る小さな三日月は、なんともかわいらしい。

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Team MAKyOS