| 春分点(および秋分点)の位置の不変ではなく、黄道上を1年に約50”ずつ、黄道傾斜角を同じに保ちながら、西に逆流する。この現象を歳差といい、紀元前2世紀にすでにギリシアのヒッパルコスによって発見されている。地球が完全な球ではなく赤道部がふくらんでいるため、主として太陽や月の引力が作用して、コマのみそすり運動のような運動をする。それにともなう赤道面の向きの変化が春分点の移動としてあらわれるのである。歳差のために天の北極は、黄道の北極からの極距離が約23°.4の小円上の約25800年の周期でゆっくりと逆行する。実際には自転軸の方向はこの小円に沿いつつ、いろいろな原因で周期的にゆれながらまわる。このゆれを章動といい、春分点の歳差運動に周期約19年、振幅約18”のふらつきをくわえる。また両極の距離の変化は交角の変化であるから、章動は黄道傾斜角にも生じる。歳差(および章動)によって天体の赤経、赤緯の値が変わるが、これは星空に対する座標系がずれるのであって、星々の相対位置を変えるものではない。 |