| 太陰とは月のことで、月の満ち欠けによって日を数える暦をいう。1朔望月の平均日数は29.53日であるから、太陰暦では暦月に30日の大の月と29日の小の月をほぼ交互に配して、毎月の日付と月の位相が合うようにする。太陰暦には12暦月を1年とする純太陰暦と、2年または3年に1回閏月を追加して13ヶ月の年を設ける太陰太陽暦の2種がある。純太陰暦の1年は1回帰年(太陽年)より約11日短いので、年々それだけ暦と季節にずれを生じる。これを、太陽の運行にも調和するように改良したものが太陰太陽暦である。前者は回教国で用いられ、後者は主として回教国以外の中近東諸国、インド、中国などで発達し、各暦法の閏月のおきかたや月初、年初のとりかたには種々の相違があった。昔の日本暦は中国暦を改良したもので、年初は立春であった。こRを陰暦または旧暦という。現代の太陽暦の時代においては、太陰暦は宗教や伝統的行事にわずかに残るのみであるが、日月食その他の自然現象の記録や、過去の天文学の進歩を研究する資料として欠かせないものである。 |