メニュー検索ヘルプ
オリラン > コミック・アニメ・特撮 > コミックランキング > 一番好きな少女漫画誌は?
一覧 / おすすめ /

-

コミックランキング

-
-

ちゃおランキング

-
-

なかよしランキング

-
-

別冊マーガレットランキング

-
-

デラックスマーガレットランキング

-

一番好きな少女漫画誌は?

リプレイNo.49737
開始 2008/12/28 00:45
終了 2009/05/28 00:45

1位.

りぼん

32.1%(18票)
2位.

マーガレット

17.9%(10票)
3位.

花とゆめ

12.5%(7票)
4位.

ちゃお

10.7%(6票)
4位.

LaLa

10.7%(6票)
6位.

なかよし

5.4%(3票)
7位.

りぼんスペシャル

3.6%(2票)
8位.

別冊マーガレット

1.8%(1票)
8位.

別冊花とゆめ

1.8%(1票)
8位.

ザ マーガレット

1.8%(1票)
11位.

デラックスマーガレット

0.0%(0票)
11位.

クッキー

0.0%(0票)
11位.

コーラス

0.0%(0票)
11位.

クッキーBOX

0.0%(0票)

[ ランキング情報 ]
投票方式択一投票
表示方式票数公開投票
回答項目追加追加禁止
投票期間:開始2008/12/28 00:45
投票期間:終了2009/05/28 00:45
BBS書込み数12件
投票者コメント数0件
投票者数56人
おすすめ者数8人

BBS問合せ

[ 投票数推移図 ]





[ BBSメッセージ ]
(匿名)
小説書きます。 <登場人物> ・鳳 麗華(おおとり れいか) 物語の主人公。高1。鳳財閥のご令嬢。超が付くほどの美 少女だが、少し病弱で天然。 ・九条 隼人(くじょう はやと) 麗華のボディガード。運動神経抜群。基本無口でぶっきら ぼうだが、根は優しい。 ・西園寺 昴(さいおんじ すばる) 西園寺グループの御曹司であり、麗華の幼馴染み。端正な 顔立ちで、学園の王子と呼ばれている。 ・鞘師 怜央(さやし れお) 百合薔薇学園に転校してくる(そのうち登場)。 ・朝比奈 舞(あさひな まい) 人気雑誌のモデル。美人で姉御肌。ヤンキー口調。 ・橘 葉月(たちばな はづき) 有名会社社長の一人娘。麗華の幼馴染み。おしとやかに見 えるがその裏の顔は…? ~鳳家の人々~ ・鳳 祐樹(おおとり ひろき) 鳳財閥の社長で、麗華の父。少々風変わり。 ・鳳 紗良(おおとり さら) 麗華の母。美人で若い。 ・鳳 すみれ(おおとり すみれ) 麗華の姉。百合薔薇学園の生徒会長。何故か麗華のことを 目の敵にしている。 ・鳳 鏡夜(おおとり きょうや) 麗華の弟。可愛い系美少年。裏の顔がある。 ・鳳 詩乃(おおとり しの) 麗華の妹。明るく麗華と仲が良い。 その他諸々

(匿名)
鳳家。それは、日本を代表する大財閥の名家。そんな世界 に名だたる鳳家には、ある秘密の掟があったー。 * 窓から差し込んでくるやわらかな光。それに合わせて大き なお屋敷に鳴り響く、優雅なクラシック音楽。心地よいピ アノのメロディに誘われて、私ー鳳麗華は目を開ける。朝 か…。ベッドの上で大きく伸びをし、光に反射して黄金色 に輝いている、色素の薄い髪をブラシで溶かし始める。ー そういえば、明日からまた学校が始まるんだ。それを思う と、自然と笑みが浮かんでくる。私にとって、この広い豪 華なお屋敷で生活するのは苦痛でしかないことだ。この家 は大きな檻で、私は囚われた羽の無い蝶。鳳家の者として 立派な立ち振るまいができるようにと、私は幼い頃から使 用人達に厳しくしつけられてきた。病弱なのもあって幼少 期はほとんど家から出して貰えず、来る日も来る日もお稽 古に明け暮れる日々。ー本当に馬鹿馬鹿しい。鳳家に産ま れてさえいなければ、こんな窮屈な生活をする羽目にはな らなかったのに。どうしようもないことだと分かっていな がらも、鳳家を恨んでしまう気持ちには歯止めがきかな い。それに対して学校は、私にとって憩いの場だ。自由に 行動ができ、自分とは違う考えをしている多くの人達と言 葉を交わすことの出来る場所。そして何より、ー好きな人 に会える場所。明日は新学期なので、クラス替えがある。 また、中等部から高等部へ移る為、他校から転入してくる 人に会えるのだ。“彼”と同じクラスになれるか、またどんな 人がやって来るのか。明日が待ち遠しくて、私は髪を溶か す手を止めると、クローゼットを開けて百合薔薇学園の制 服を取り出した。と、その時。部屋の外からトントン、と ノックの音が響いた。「お嬢様。お早う御座います」私は 慌てて制服を仕舞うと、ドアに向かって口を開く。「セバ スチャン、お早う。ええと、今開けるわ」鳳家は各部屋の ドア1つひとつに指紋認証システムが搭載されており、本 人でないとドアを開けることができない仕組みになってい る。私はシステムを解除して部屋のドアを開けると、一礼 するセバスチャンに向けて微笑みかける。「いつもありが とう、セバスチャン。わざわざ部屋に来なくても、毎日自 分で起きられるのに」少し頬を膨らませてそう言うと、セ バスチャンも苦笑した様子で言う。「まぁ、私も鳳家に仕 えている限り、これが仕事ですから。あと今日は1つ伝言 を預かっているんです。祐樹さまからのなのですが…」 「お父様から!?」驚いて思わず身を乗り出した私に、セバ スチャンは「ええ」と頷く。「『朝食を食べ終えた後、私 の部屋に来なさい』…とのことです。ご朝食の用意はもう 出来ているようですので、お嬢様も準備が出来次第、食堂 へいらしてください。では、私はこれで」そう言ってセバ スチャンは深くお辞儀をすると、部屋を出ていった。私も その姿を見送るも、ーちょっと待って。「話って…?」ま さか怒られるということは無いだろうけど、ー怖い。そも そもお父様とはもう久しく話していないし、姿すらめっき り見かけない。これだけ広い鳳家ならそんなことがあって も不思議では無いが、急に呼び出しを食らうとはどういう ことなのか。「取り敢えず、朝ごはん食べに行こうか な…」私は着替えて備え付けの洗面台で身だしなみを整え ると、朝食を食べる為食堂へと向かった。 食堂へ行くと、豪華な食事とともに、弟の鏡夜、妹の詩乃 が既に座っていた。「あ、お姉ちゃんおはよう!」「お姉さ ま、おはようございます」2人の可愛い弟妹に、私も口元を 綻ばせて挨拶を返す。「2人とも、おはよう」「そういえ ば、お姉ちゃんって明日から学校だよね?いいなぁ。あ、 昴お兄ちゃんに会えるじゃん!」「!?ちょっと、詩乃!?あの ね…///」自分でも顔が赤くなっていくのが分かる。そう、 詩乃の言ったー西園寺昴こそが、私が想いを寄せている相 手だ。鳳家と西園寺家は古くからの付き合いで、私と昴は 幼馴染み。確かに詩乃の言う通り、昴に会いたいとは思っ ていたが、「も、もうっ!別に、昴のことは好きでも何でも 無いって、昔から言ってるでしょ」「え~、そんなの聞い たことないけどな~」「ちょっと、詩乃!お姉さまが困って るって」鏡夜が諭すと、詩乃も唇を尖らせるようにして 黙った。「まぁ…ボクも、お姉さまと昴さんはお似合いだ と思いますけどね」「ほら!やっぱり鏡夜もそう思ってるん じゃん!」「静粛に!」使用人の声に、2人はすくみあがるよ うに口をつぐむ。「全く…詩乃さま、そんなんじゃ立派な レディになれませんよ」ー別にそれくらい良いのに。私は 使用人を横目で睨みながら、一足先に朝食を食べ始める。 これを食べ終わったあと、お父様の部屋に行かなくてはい けない…。少し胃を痛くしながら私は朝食を食べ終える と、最上階の社長室へと向かった。

(匿名)
ーうぅ、緊張する…。私は今、最上階にある社長室の前に いる。朝食を食べ終えてすぐ飛んできたものの、ー中に入 る勇気が出ない。かれこれ10分弱、ここで立ち尽くしてい る。…でも、このままずっと躊躇っていても何も進展しな いし…。「ーよしっ」私は一度深く深呼吸をすると、重厚 な扉をノックした。「お父様。お話を聞きにやって参りま した」私がそう言い終えると、部屋の中から返答があっ た。「麗華。入りなさい」ー久しぶりに聞くお父様の声。 さらに心臓の迫動数が増す。私はもう一度呼吸を整え、心 を落ち着かせると、社長室に向けて一歩踏み出した。 「お父様、お早う御座います」部屋に入って即座に挨拶。 スカートの裾を軽く持ち上げ、頭を30度に下げる。「麗 華、お早う。話があるからこっちにおいで」ーあれ、なん かあまり固い話じゃないっぽい?「分かりました」私は返 事をすると、声のする方へと向かう。この社長室はお父様 の仕事場であり、多くの企業や会社と連携を取る場所。部 屋全体に、多くのコンピュータ機器がずらりと並んでい る。ー相変わらず広すぎる部屋だな…。私は散らばってい る書類の山を飛び越え、ようやくお父様の姿が見えるとこ ろまで進んだ。ーあれ?お父様の隣に、誰かいる…?私は 目を凝らしてよく見てみる。ー少年だ。歳は私と同じくら いだろう。黒髪の短髪で、背筋が伸びているのが遠目から でも分かる。少年は少年で、こちらを窺っているようだ。 私は足を少し速めると、お父様の元へと到着した。「お父 様、お待たせ致しました」私はそう言って顔を上げる。す ると、黒髪の少年と目が合った。近くで見ると、割と整っ た顔立ちをしているのが分かる。世間では間違いなくイケ メンと呼ばれる範疇だろう。少年は、まじまじと私の顔を 見つめている。その時、お父様が口を開いた。「麗華、お 疲れ様。ごめんね、片付けたいんだけど中々時間が無く て…」お父様はそう言うと、紙が大量に散乱している床を 差し示す。私は首を横に振って言う。「 いえ、大丈夫で す。…それより、お父様。この方はどなたですか?」「ー 実は、話っていうのはこのことなんだ。ちょっと重大な話 になるから、心して聞いてくれるかな。もちろん九条くん もね」“九条くん”と呼ばれた少年は、視線だけお父様に向 け、あとは気だるそうな様子だ。私はその様子に、少し表 情が険しくなる。ーこの人は、一体誰なんだろう…。

(匿名)
「まず、単刀直入に言うね。この子は九条隼人くん。麗華 のボディガードだよ」「そうなんですね…って、え?」一 瞬思考回路が止まった。…今、確かに、「ボディガー ド…って言いました?」私は恐る恐る尋ねる。まさか、こ んな少年がボディガードのはずがない。ー嘘、よね?「う ん、言ったよ?」お父様は不思議そうな顔で答える。例の 少年ー九条隼人はというと、相変わらず無表情でお父様に 伴われているだけだ。「…あの、どういうことですか?今 まで私にボディガードなんていませんでしたよね。どうし て急に?しかも、こんな…」横目でちらりと九条隼人を盗 み見る。嫌味ではないが、若干の不快感が伝わったらし い。九条隼人が少し眉根を寄せる。「麗華。実は本題はこ こからなんだ」お父様の声色が急に真面目になった。私は 背筋を伸ばす。「麗華には言ってなかったけど、鳳家では 古くからのしきたりで、先祖代々16の歳からボディガード をつけ始めるんだ。これは麗華も知っていると思うけど、 鳳家の周りには、ウチの財産を狙おうとしている家系が沢 山いる。ボディガードは、そんな輩から身を守るためにつ けるんだ。それで、この九条隼人くんが、今日から麗華の ボディガードになる人だよ」「話は分かりました。です が…」私は一旦言葉を切る。「…何故、私と同年齢くらい の方なのですか?もう少し良い人…いえ、歳上の方はいな かったのですか?正直、この方でちゃんとボディガードが 務まるのか、不安なのですか…」今度こそ毒をしっかり含 んだ嫌味に、九条隼人がはっきりと不快そうな表情を見せ る。お父様はまあまあ、と苦笑して話を続けた。「…これ には訳があってね。でも、この方がおもしろいだろ う?」ーどういうこと。お父様は少し(?)風変わりな一面が ある。今回のもそれ所以か。私は気づかれないように、小 さくため息を吐いた。「…ま、とりあえず話はこれで。そ ういえば、まだ自己紹介してないよね?はい、2人とも向き 合って。じゃあ麗華からね」ー面倒くさい。これだけ名前 連呼してたら分かってるでしょ?と思いつつ、私は仕方な しに九条隼人に向かってお辞儀をする。ーいっそ皮肉なほ ど優雅に。「初めまして、鳳麗華です。九条隼人さん。こ れからよろしくお願い致します」言い終えるとニコ、と微 笑。我ながら得意な表情だ。九条隼人は、どうともとれな い表情で、私の顔をまじまじと見ている。お父様はうんう んと頷くと、「じゃあ、次は九条くんね」と促した。彼は 一歩前に出て、相変わらずの無表情のまま口を開く。「九 条隼人です。よろしくお願いします」ー思っていたより、 低い声だ。昴や鏡夜よりも、ずっとずっと低い。口の動き に合わせて、喉仏が上下している。しかし、全く感情が読 み取れない声だ。お父様は納得そうな顔をした後、急に何 かを思い出した様子で慌ただしく動き始める。「そうだ、 このあと大事な用事があるんだ!麗華、悪いけど九条くんに この家の案内をしてくれないかな。すみれ達にも顔合わせ といて!九条くんは、麗華を頼んだよ」そう言い残すと、部 屋の奥の方へ去っていった。「あのっ、お父様!」まだ色々 聞きたいことがあったのに…。ーそれよりも、これからど うすれば?正直、この人とうまくやっていける自信は全く ない。でも、第一印象で決めつけたらいけないし…。私は 意を決して、九条隼人の方に向き直る。「改めてよろしく ね、九条さん。…とりあえず、部屋出ましょうか」「…そ うですね」一応会話をすると、麗華は扉に向かって歩き始 める。九条隼人も後ろからついてきている様子だ。ー待っ て。私は1つ、大事なことを思い出す。ボディガードって ことは…この人とずっと一緒ってこと? …この時、麗華は自分の運命が変わっていくことに、まだ 気付いていなかった…。

(匿名)
…一体どうなっているんだ。どうして俺はここにいる?そ もそもここはどこなんだ?光の速さで事が進んでいき、 俺ー九条隼人は全く頭の整理がついていなかった。ちなみ に今は、鳳麗華という超絶美少女(だが高飛車で刺々しい)と 一緒にいるのだが、ーマジでどうしてこうなった。…とり あえず、昨日に時を戻して考えてみるとしよう。 * 事の発端は昨日の午後4時。俺はその時、剣道の稽古を受け ていた。ちなみに自分で言うのもあれだが、俺はもの凄く 運動神経が良い。何故だか知らないが、それほど裕福でも ないのに昔から様々な習い事をさせている、両親のお陰で もあるだろう。実際その日も俺は圧勝だった。それで、竹 村と菅野にめちゃくちゃ羨ましがれたっけ。でも俺は聞い たことがある。ー2人が俺の悪口を言っていたことを。…何 だったっけか。「強いのに謙遜すんのウザイ」とか「何で アレが女子にモテんの?」とかだっけ。妹によると、男は スポーツができると3割増しでかっこよく見えるらしい。別 に俺はモテようともモテたいとも思っていないのだが、元 がそこまで悪くないのもあって、昔から女子にめちゃく ちゃモテる。それだけならまだいいのだが、更に厄介なの は、同性からの嫉妬が凄まじいことだ。もう少し明るい性 格だったら、そこまで嫉妬もされなかったのだろうか。ー まぁ、もうだいぶ慣れたしこれは別にいいやと割り切って いる。…と、話が凄く脱線してしまっていた。何の話だっ け…あ、そうだ。その後、剣道場を出ると謎の男が待ち伏 せしていた。スーツにサングラスで、いかにもSPみたい な。男は「ご当主樣がお待ちです」とかなんとか言って、 強引に俺を引っ張った。もちろん全く面識のない人。それ だけでも非現実的過ぎるが、更に驚いたのはその後だ。男 に「これに乗ってください」と言われ、差し示された方を 見ると、そこにはなんとヘリコプター。「え…ヘリ?」思 わず口に出してしまった俺をものともせず、男は「早く 乗ってください」と更に促す。命令に背くとなんか銃でも 突きつけられそうな雰囲気だったから、状況も掴めていな いまま俺はとりあえずヘリに飛び乗った。ーその後の記憶 はほとんどない。一気に非現実的な事が巻き起こり過ぎ て、脳が麻痺してしまっているのだろう。とりあえず今覚 えているのは、ここは政治に疎い俺でも知っている鳳財閥 の自宅(と言って良いのか分からないが)で、俺は鳳麗華のボ ディガードであるということだ。ーいや何でだよ、と自分 でも言いたくなる。今朝、“ご当主樣”に呼ばれ、この部屋に やって来た(昨日の記憶はないが、どうやらこのお屋敷に泊 まったらしい)。ご当主樣ーそう呼ばれている人は、恐らく 30台と見られ、俳優並の美形だった。陽気で貫禄が全くな いが、話を聞く限りこの人が鳳財閥の社長である人らし い。どうして俺みたいな一般人がこんな上級国民と…しか も、あの世界に名だたる鳳財閥の社長と話をしているのだ ろうか。もう訳が分からなくなっている中、その後ご当主 樣ー鳳祐樹から聞いたことはもっと衝撃的だった。「九条 隼人くん。今日から君は…鳳麗華のボディガードになって もらいます!!!」一瞬耳を疑った。…いや、今でもまだ信じ られないでいる。ー本当なのは周囲の状況からして明白な のだが。でも、…どうしてこんな、漫画みたいな展開が 次々と起こるんだよ!俺はもう、状況を整理するのを放棄し た。そしてその話のすぐ後、鳳麗華が部屋に入ってきた。 ーかわいい。俺は素直にそう思った。茶色がかった目は びっくりするほど大きく、色素の薄い髪はふわふわと流れ ている。傷ひとつない肌は透けるように白く、華奢で女性 らしい体つきだ。日本全国を練り歩いても、これほどの美 少女はそうそう見つからないと思う。ー性格は最悪だった が。彼女は部屋に入ってきた瞬間俺を一瞥すると、顔に似 合わない毒のある嫌味をバンバン浴びせてきた。立ち振る まいこそ品があり育ちの良さが如実に表れていたが、高飛 車で漫画でよく見るワガママお嬢様そのものだ。俺への挨 拶も、一瞬あまりの美しさに見とれてしまったが、きっと 精一杯の嫌味を込めてやったのだろう。まぁ、俺がボディ ガードって言われたら、確かに動揺するかもしれない が…。“ご当主様”鳳祐樹がいなくなり、俺は鳳麗華と2人き りになった。ー気まずい。きっと不機嫌だろうな、と窺う と、彼女はこっちを振り向き口を開いた。「改めてよろし くね、九条さん。…とりあえず、部屋出ましょうか」ーあ れ。彼女は笑顔で、ほんわかした空気を漂わせている。… さっきのは何だったんだ?俺はとりあえず返事をすると、 彼女について部屋を出た。ーで、今に至る。自分でも全く 意味が分からない展開だ。…理解できていないが考えられ たことだし、じゃあ現実世界に戻るとしよう。

(匿名)
2人揃って部屋を出ると、まず鳳麗華が口を開いた。「えー と、聞きたいことが色々あるんだけど…。ー本当に、あな たが私のボディガードなの?」彼女は念を押すように俺に 尋ねる。ーまた嫌味を言う気なのか。俺は気づかれない程 度に軽くため息を吐くと、「…そうみたいですね。話を聞 いている限り」と答えた。が、彼女は「ふうん」と気のな い返事だ。そして小声で何かぶつぶつ呟く。「全く…お父 様は何を考えているのかしら。ボディガードってどういう ことよ…これじゃ普通の生活が送れないじゃない…って、 あぁ、ごめんなさい」彼女はいぶかしげに見つめる俺の視 線に気づいたのか、独り言をやめてこちらを向いて詫び た。「そういえば、さっきはごめんなさい。失礼な態度を とってしまって…。第一印象で人を決めつけるのはいけな いって、いつもセバスチャンから言われてるのに…ってや だ、本当にごめんなさい!別にあなたの第一印象が、暗くて 陰湿でぶっきらぼうだとか思ったわけじゃないから…っ て、あぁっ!」ごめんなさい…としょぼんとうずくまった彼 女に、俺は思わず苦笑する。「いや別に、謝られなくても 結構ですよ。第一印象だけじゃなく暗いのは事実だし、よ く言われるんで」すると彼女は顔を上げ、ふふ、と微笑ん だ。「ありがとう。見かけによらず優しいんだ」「見かけ によらずって…全然反省してないじゃないですか」俺は呆 れたようにぼやくと、ーいや待て。…さっきのトゲトゲは どこに行った?今話をしていた限り、普通に温厚で優しい お嬢様という感じだった。しかも、なぜ俺が普通に女子と 会話をしている。一時期恐怖症になったほど、女子と話す のは苦手なはずなのに…。首をかしげる俺に、彼女は「そ うだ」と話しかける。「まだ、この家のどこに何があるか とか、全然知らないよね?良かったら案内するよ。すみれ お姉さまとか鏡夜にも顔合わせなきゃいけないし…。ほら ほらっ、九条くん。行くよ~」そう言って彼女は、両手で 俺の腕を掴んで引っ張る。「え!?いや、あの…」「ほら、 早くっ」赤面している俺の顔も見ずに、彼女は更に急か す。ーさっきから思ってたけど、ちょっと天然入ってるよ な…。美少女からのボディタッチ(恐らく無自覚なのだろう) にドキドキしつつ、俺は彼女の方へ一歩踏み出した。 広い。広すぎる。鳳家の豪華さ、壮大さに、俺は何度も息 を呑んだ。大きすぎるシャンデリアが天井からぶら下がっ ているし、廊下は車が走れそうなほど広いし、お手伝いさ んと思われる人が何人もいるし…。そもそも、自宅が15階 建てとか有り得ないだろ…。自分がその家の娘のボディ ガードということは、更に信じられないが。そして今は、 その鳳麗華に家の設備の説明等をしてもらっている。説明 そっちのけで内装に夢中になっている俺に、彼女は軽くむ くれた様子で顔を覗き込んできた。「ねえねえ、九条く ん。私の話、ちゃんと聞いてる?」「わっ!?びっくりし た…。き、聞いてますからっ。1つお願いなんですが、そ んなにすぐ近づかないでくださいっ」「え~、何で?まぁ いいけど…。あ、そうだ。そういえば、私の兄弟とまだ 会ってないんだよね?せっかくだから、会いにいこうよ。 多分部屋にいると思うから…ほらっ、来てっ」言いつつま た手を掴んでこようとする。どうしてこんなに距離が近い んだ…。恐らく何回言っても直らないだろうから、俺はも う黙っておくことにした。ードキドキしていたことは内緒 で。

(匿名)
「ここが私たちの部屋なんだ。右奥からすみれお姉さま、 私、鏡夜、詩乃の順なんだけど…って、そう言われても分 からないか。とりあえず会ってみよう」ーいやいや。俺は 思わず絶句した。この広さが一人部屋…?何畳とかってい うレベルじゃないぞ、これ。ここにいると、普通の感覚が 麻痺してくる…。そんな俺を気にする様子も見せず、鳳麗 華はさらに奥に進んでいく。「…って、あれ?お姉さまが いない…どこ行ったんだろう…って、きゃあ!?」「お姉 ちゃんだー!!!」彼女にたったっと駆け寄り抱きついたの は、ツインテールの小柄な少女。「びっくりしたぁ…詩乃 か。ちょうど良かった!今ね、この人に顔合わせしようと 思ってたの。実は、私のボディガードさんなんだ」鳳麗華 がそう言うと、彼女は俺の方をくるりと振り向き、わぁ、 と大きな目をぱちくりさせた。ー文句無しの美少女だ。色 素の薄い髪や茶色がかったぱっちりしている目を見ると、 やはり鳳麗華と似ていることが分かる。「この人がお姉 ちゃんのボディガードなの!?なんかずいぶん若いんだね。 いいなぁ、カッコいいじゃん。羨ましい~。名前はなんて いうの?」「九条隼人です。あの、えっと…よろしくお願 いします」俺が頭を下げると、何故か彼女は大爆笑した。 「え、何でそんなに堅苦しいの~?この人おもしろいね、 お姉ちゃん」「ちょっと、詩乃。失礼なことばっかり言わ ないの。あと、“この人”じゃなくて、名前で呼ばないと駄目 でしょ。ほら、詩乃も九条くんに挨拶して」鳳麗華がそう 促すと、彼女は「はぁい」とややむくれた様子で俺の方に 向き直る。「よろしくね、お兄ちゃん」お、お兄ちゃん!? 俺にも妹がいるが、そんな呼称で呼ばれたことはない。し かも、何で初対面なのに…。酷くたじろぐ俺を見て、彼女 はてへっと舌を出して笑う。危ない小悪魔気質。ーこれ は、将来が心配だな…。鳳麗華はというと、また呆れた様 子で彼女を諭している。と、その時。「あ、鏡夜じゃん! おーい!!!」彼女は急に俺の後方に向けて手を振った。俺も 振り向くと、こちらに向かって歩いてくる少年がいた。 「お姉さま、詩乃。こんなところで何をしているんです か?」まだ声変わりのしていない、高めで透き通った声 だ。そして、ー何だこの美少年。顔が彫刻の様に整ってお り、睫毛が驚くほど長い。これまた色素の薄い髪がさらさ らと目にかかっており、どこか儚げな雰囲気もある美少年 だ。「あ、ちょうど良いところに来た。鏡夜、この方が私 のボディガードになる人なの。九条隼人くんっていうん だ。鏡夜も挨拶して」少年はぴた、と足を止めると、今存 在に気がついたかのように俺の方を見る。「あぁ、っとよ ろしくお願いします」軽く頭を下げると、一瞬の間があっ た後、彼はニコッと笑って口を開いた。「ボクは鳳鏡夜、 麗華お姉さまの弟です。九条さん、よろしくお願いしま す」そう言って礼をすると、上目使いで微笑む。ーうわ、 かわいい。俺はもちろんそういう趣味はないが、ーかわい い。でもそれと同時に確信できる、ーこの少年は可愛さを 自覚してやっている。兄弟揃って小悪魔気質だ…と俺は呆 然としていると、鳳麗華が「よしっ」と手を叩いた。「こ れで顔合わせ完了。あとは…。ねぇ詩乃、鏡夜。すみれお 姉さま知らない?」彼女の問いに、2人は揃って首を横に振 る。「あ、でもそういえば…エレベーターに乗り込んでい たのは見ましたよ。多分上行きだったと思うんですけ ど…」鳳鏡夜が首を捻りながら言う。「そっか…鏡夜、あ りがとう」すると、彼女はいきなり俺の手をとった。 「え…何ですか」「とりあえず行こうか。まだ、案内して ない場所結構あるし」彼女はそのまま俺の手を両手で引っ 張ると、振り返って残された2人に手を振った。「あ、2人 ともありがとう。またね」彼女の髪がふわりと揺れ、花の ような芳香が漂う。俺と彼女はそのまま、エレベーターに 乗り込んだ。 「ふーん、お姉ちゃんがあそこまで楽しそうにする相手っ て結構珍しいじゃん。鏡夜もそう思わない?」「…」詩乃 がそう問いかけるも、鏡夜は何も答えない。「ちょっと鏡 夜、なんか言ってよ。ーまさか、また“する”気じゃないよ ね?」顔を強ばらせる詩乃に、鏡夜は視線を落とす。「… 別に。まだしばらく様子は見るよ。でも…」麗華のあの楽 しそうな顔。あんな顔は久しぶりに見た。「…時間の問 題、かな」そう言うと、鏡夜は唇を少し釣り上げる。それ を見た詩乃は呆れたようにため息を吐いた。「鏡夜って さ…“それ”がお姉ちゃんにバレたらどうするの?嫌われるど ころじゃ済まないと思うよ」「バレる訳ないじゃん。しか も、俺の望み知ってるでしょ?どうにかしてでもくっつけ る…あの2人を」そう言い捨てた鏡夜に、さっきまでのあざ とさは残っていなかった。

(匿名)
エレベーターに乗り、着いたのはゲームセンターの様な場 所だった。よく見ると、使用人と思われる人が沢山遊びに 来ている。それより、ーどうして家の中にこんな場所があ るんだ…?動揺している俺を見て、鳳麗華はふふ、と笑 う。「びっくりした?実は、ここ10階は娯楽用なんだ。カ ラオケとかボウリングができるし、一番奥には鳳家特製の 図書館もあるの。九条くんも、暇になったらぜひこの階に 来て。きっと楽しめると思うから。ーねぇ、せっかくだか らちょっと遊んでいかない?」そう言い終わると、俺の返 事も待たずにさっさと歩き出した。「ちょっ…ちょっと、 待ってください」「あ、そうだ。九条くんって何が好きな の?」彼女は急に振り返って俺に聞いた。「え、何って言 われても…」「ん~、例えば…好きな食べ物は?」「好き な食べ物…カレーですかね。あと、ハンバーガーとか」俺 がそう答えると、彼女は首をかしげた。「かれー?はん ばーがー?…ごめん、私食べたことないかも…」ー嘘だ ろ。鳳家の食事って…そんな規制されてんのか?俺が心底 驚いていると、それを見た彼女が再び詫びた。「ごめんな さい…。ー本当に、鳳家にさえ産まれていなければ、普通 の生活が送れたのにね。…どうして、こんな家に産まれ ちゃったのかなぁ…」彼女はうずくまり、そう呟く。やば い、俺が泣かせたみたいになってる!?顔を上げると、使用 人の冷たい視線が目に刺さった。俺は慌ててフォローに入 る。「あの、えっと…こっちこそすみません。そんな、知 らないとは思わなくて…とりあえず、顔上げてください」 彼女は渋々といった様に顔を上げると、こう言った。「… いや、今のは私が悪かったわ。ごめんね」すると、俺とは 視線を合わせようとせずにゆっくりと立ち上がった。そう いえば、彼女をよく見たのはこれが初めてだ。一言でまと めると、まるで人形のよう。綺麗にパーツが配置された顔 はもの凄く小さいし、髪はサラサラ、そして洋服越しでも 華奢だと分かる体。彼女は俺の視線に気づいたのか気づい ていないのか、寂しそうに微笑んだ。「ありがとう。そん な気使わなくても大丈夫。ーねぇ、九条くんってスポーツ 得意なんだよね?」「は…はい。まぁ」思いがけない質問 に面食らいながら頷くと、彼女は「よし、じゃあ…」と言 い、再び俺の腕を引っ張った。「え、ちょっと…」「今か ら、九条くんに来てほしいところがあるんだ。ほら、早く 行こう」ーさっきから思ってたことだが、俺に決定権ない よな…。そう思いつつ、楽しいと感じてしまっているのは 何故だろう。俺が歩き始めると、彼女も少し歩くペースを 速めた。ーその瞬間、「ー!?大丈夫ですか!?」まるでス ローモーションかのように、彼女はふらりと床に倒れこん だ。息が荒い。これはヤバいんじゃ…。俺が何もできずに 慌てていると、「お嬢様!大丈夫ですか?」「セバスチャ ン…?ええ、大丈夫よ。いつもの貧血だから…うっ」初老 の男性がやって来て、彼女を抱き抱えた。そして、「担 架ー!!!担架を持ってこい!早くっ!!!」そう叫ぶと、周りにい た使用人達が一斉に動き出す。10秒もかからずに数名の使 用人らが担架を持ってやって来ると、そのまま彼女を乗せ て運んでいった。彼女はというと、苦しそうに胸を押さえ てうずくまっている。ーだ、大丈夫なのだろうか。まるで 一瞬の出来事で、俺自身まだ整理が追いつかない。する と、先ほどの初老の男性が話しかけてきた。「九条隼人さ ん…ですよね」「あ、はい…そうですが」その男性は一歩 歩み出ると、深くお辞儀をする。「私はセバスチャンと申 します。古くから鳳家に仕えている、麗華さま専用の執事 です」し、執事!?本当にそんなものが実在するのか、と俺 が慄いていると、彼は薄く笑った。そして続ける。「お嬢 様は、昔からお体が弱いのです。先ほどのように倒れるこ ともしばしば…。ー九条さん。お嬢様を、きちんとお守り してあげてください。これは、執事の私からのお願いで す。では、これで失礼致します」そう言い終わると、彼は さっきよりも更に深くお辞儀をし、静かに立ち去っていっ た。俺はその姿を見送る。ー鳳麗華がこの家に産まれたく なかったと思っていたこと。そして、病弱であること。彼 女の執事からの直々のお願い。この僅かな時間で多くのこ とを知ることになり、半開きになっている口から息が漏れ た。 ー九条隼人が、鳳麗華のボディガードであるということを 改めて自覚した瞬間だった。

(匿名)
鳳麗華が倒れてから、約1時間が経過した。未だに何の連絡 もないまま、俺は複雑な気持ちで廊下に設置してあったベ ンチに座っている。ーこういう時、俺がするべき事は何な んだろう。そもそも鳳家の事がまだ何も分かっていない状 態で、何かしろっていうのも無理があるか。そんなことを 考えながら、ぼうっと遠くを見つめる。ふと視線を落とす と、目の端に人影を捉えた。ゆっくりと顔を上げると、ー そこには鳳麗華にそっくりな女性。彼女は俺に向けて軽く 会釈をすると、横に座った。「いきなりごめんね。私は麗 華の母です。…麗華のこと、びっくりしたでしょう?」 「…いえ、別に大丈夫です…って、え!?母親!?」彼女はど う見ても30代前半、下手すれば普通に20代と言われても信 じられるくらいの美貌と若さだ。鳳麗華の歳の離れた姉 じゃないのか…。俺が心底驚いていると、彼女は少し苦笑 しながら言った。「あぁ…よく言われるわ」そこで俺は失 礼な事を言ってしまったことに気づく。「すみません。失 礼なことを…」よく考えたら、社長の鳳祐樹もだいぶ若 かったし、驚くべきことではない。「いや、大丈夫よ。… そうだ、まだ名前伝えてなかったわね。私は鳳紗良。紗良 さんって気軽に呼んでくれて良いからね。そう、それで… 麗華のことなんだけど」彼女は一旦言葉を切った。「…あ の子は、昔から病弱でね…。最近はだいぶ良くなってきた んだけど…。ーもしかして、この話誰かから聞いてたりす る?」「あ、あの…セバスチャン?さんから聞きました」 すると彼女はああ、と合点したように頷く。「そっか、セ バスチャンが…。ー彼からも頼まれてるかもしれないけ ど、私からもお願いしていい?…麗華をよろしくね」そう 言って深く頭を下げられ、俺はたじろぐ。でもそれと同時 に気づく、それほど俺は大事な役目を背負わされているん だと。しばらくして彼女が顔を上げると、そういえばさ、 と切り出した。「麗華の兄弟にはもう会ったの?」「あ あ、はい。…えっと、鏡夜くんと、詩乃さんに会いまし た」それを聞いた彼女は、少し表情を曇らせる。「…じゃ あ、すみれにはまだ…会ってないのよね?」まだのはず だ。俺は頷く。「どうしようかな…あ、そうだ。ねえ、お 腹空かない?良かったら食堂にランチ食べに行って。家族 もみんな来るはずだし」そういえば、朝食もまだ食べてい ない。驚きの連続で、空腹が紛らされていたのだろう。壁 に掛かっている時計を見ると、もう11時半を回っている。 「食堂は3階にあるわ。南のエレベーターに乗って降りたら すぐ着くからね。…じゃあ、私は用事があるからこれで」 彼女は手を振りながら立ち去っていった。顔さえろくに見 られなかったが、雰囲気などが鳳麗華にそっくりだった。 それで思い出す。ー彼女は大丈夫なのだろうか。ひとまず お腹が減ったので、俺は紗良さんに言われた通りに食堂へ 向かった。 3階行きのエレベーターを降りると、そこには既に多くの人 が集まっていた。ー何だこのパーティーみたいな豪華さ は。白いテーブルクロスがかかった長い長いテーブルに、 見るからに豪華な食事が次々と並べられていく。その迫力 にぽかんとした顔で立ったままでいると、後ろから肩を叩 かれた。「…あなたが九条隼人さん?」名前を言われて振 り向くと、そこには黒髪ロングの女性。美人ではあるが、 どこか冷酷な雰囲気だ。「…お父様に顔合わせといてって 言われて。私は鳳すみれ。よろしく、九条さん」ーこの人 が鳳麗華の姉?雰囲気はもちろん、顔も髪色も全く似てい ない。鳳麗華はぱっちり二重だったが彼女は一重、髪も艶 やかな漆黒だ。そして何より、性格が全然違う。この短い 時間でそう判断もできないだろうが、それにしても雰囲気 といい違いすぎる。姉妹でここまで違うものなのだろう か?俺がいぶかしげな顔をしていたのだろう、彼女が眉根 を寄せた。「…何か分からないことがあったら聞いて。 じゃあ」そう言い残すと足早に去っていった。…なんだろ う、この感じは。終始冷たい態度で、クールビューティー という言葉が似合うなと思ったが、それにしても…。と、 その時。車椅子に乗せられた鳳麗華が俺の視界をよぎっ た。顔色は少し悪いが、元気そうだ。それで少しほっとす る。声をかけに行こうか悩んでいると、2人の少年少女が彼 女の元へ駆けていった。鳳鏡夜と鳳詩乃だ。「お姉ちゃん! 大丈夫?」「お姉さま、もう少し休んだ方がいいので は…」すると彼女は大丈夫よ、と微笑む。「どうせいつも の軽い貧血なんだから。2人ともありがとう。…あ、九条く ん?」彼女は俺に気づくと、こっちに向かってくる。「ご めんね、さっきは急に倒れちゃって。九条くんとスポーツ しようと思ってたのに…」しょぼんと落ち込む彼女。ーや ばい、かわいい。恐らく今、俺の顔は赤くなっている。… しかし、ある人が冷たい視線を向けていることに、俺はま だ気づいていなかった。

(匿名)
「九条くん、はやく~!」あぁ、なんか凄く幸せな気分。私 は深く深呼吸をし、爽やかな春の空気を吸い込む。そう、 だって今日からー「…あの。学校では、あまり話しかけな いでくださいね」…学校に通えるのだから。「え~、何 で?私のこと、嫌い?」「そういうんじゃなくてっ。普通 に関係がばれたら大変なことになるじゃないですか」そう 言って軽く頭を掻いたのは、私のボディガードである九条 隼人くん。最初はぶっきらぼうで暗い人だと思っていたけ ど、意外と話しやすい。「そっか、確かに…あっ」ふと遠 くを見ると、中等部の制服に身を包んだ、ツインテールの 少女が。彼女は私に気づくと、ウキウキした様子で手を振 る。「あ、お姉ちゃん!」「詩乃!そっか、今日から中学生 かぁ。頑張ってね!」「うん!頑張る~」そう言ってイヒっと 笑うと、お母様の元へ駆けていった。ーかわいいなぁ。思 わず目を細める。「お姉さまも頑張ってくださいね」そう 振り向きざまに声をかけたのは、今年中3の弟、鏡夜だ。 「ええ。鏡夜もね」私がそう言うと、彼も天使の微笑みを 浮かべてそのまま立ち去っていった。可愛い弟妹を見送 り、空を仰ぐ。雲ひとつない快晴だ。まるで、新しい生活 を始める私達を歓迎しているかのような。私はもう一度 ふぅ、と息を吐く。その時、私達の元にセバスチャンが やってきた。「お嬢様、そして九条様。そろそろ学校へ向 かうお時間です。もう出発してもよろしいでしょうか」 「ええ」「大丈夫です」私達がそう言うと、彼は頷き、 「では、こちらへ」と誘導する。そこには鳳財閥特製の、 最新型ヘリコプター。え、と固まっている九条くんを横目 に、私はさっさと乗り込む。「ほら、九条くんも早く」 「…あの。もしかして、これに乗って学校に行くんです か?」彼は恐る恐るという風に尋ねる。私とセバスチャン は同時に答えた。「ええ、そうよ」「もちろんです」二人 揃っての肯定に、彼は「…やっぱりか」と小声で呟き、 ゆっくりとヘリに乗り込んだ。セバスチャンが操縦を始め る。「では、出発します」地面から飛びたった時、外に出 ていた鳳家の使用人一同がこちらに向かって一斉にお辞儀 をする。…なんだろう、何か少し大人になった気分。私達 はそのまま、新たな生活に向けて大空に飛びたっていっ た。 「…では、誰かに見られたら大変なので、少し手前で降ろ しますね」そう言うセバスチャンの前方には、百合薔薇学 園の大きな校舎が見える。この学校は、誰もが知る超名門 校。小等部から高等部まであり校舎は全部で20、学校とは 思えないほど設備も充実している。そして何より、煉瓦造 りの壁に薔薇の蔦が巻き付いている、洒落たデザインが印 象的だ。「…じゃあ、九条くん。私が先に降りるから、九 条くんはもう少し経ったら来てね」私は彼にそう伝える と、セバスチャンにもお礼を言ってヘリを降りた。ふと周 りを見ると、今日は入学式だからか人も多い。私も高等部 の校舎に向かって歩き始める。…久しぶりの学校だ。学校 は大好きだが、少し憂鬱なこともある。それは…。「見て! 麗華様よ!」「本当に美しい…」「麗華様は完璧よね、欠点 が見つからないわ」歩いているだけで、周りから巻き起こ る歓声。私はこれが嫌いだ。もちろん憧れられるのは嬉し い。けど、私は皆と同じ立場で、お互い気を使わずに話せ るのが理想だから。私は軽くため息を吐く。と、その時。 「麗華ちゃんっ!」突然誰かに抱きつかれた。…この声は。 「久しぶりですわね。会えなくて寂しかったですわ~」 「葉月!久しぶりね!」橘葉月。彼女はある製薬会社社長の一 人娘で、私の幼馴染みだ。黒髪ボブで、背は私より少し高 い。彼女はニコニコしたまま話し始める。「今日から新学 期ですわね。麗華ちゃんと同じクラスが良いですわ」 「ね、私も。あと…」ー昴も、とは言えないか。「…?ど うかしましたか?」「あ、ごめん!何でもないの。…ん?」 遠くの方でざわめきが。一人の男子生徒に、多くの女子生 徒が群がっている。「もしかして…あれ、昴くんじゃあり ませんこと?」葉月がそう言う。すると彼も気づいたよう だ。「あ、麗華!」ー嘘でしょ。彼がこっちにやってくる。 「久しぶりだね、麗華」「久しぶり、昴」え、どうしよ う。まさか会うなんて思わなかったから、心の準備ができ てない…。多分、私の顔は今凄く赤くなっているだろう。 慌てている私を見て、彼がふっと微笑む。「麗華、相変わ らず綺麗だね」そう言うと彼は白く細長い指で私の髪を取 り、ー優しくキスをした。「キャー!!!!!」辺りが一瞬で歓声 に包まれる。え…今…。頭の整理が追い付いた瞬間、「!? す、昴!?」「そういうところも可愛いよ」彼はそう言い残 し、去っていった。う、心臓に悪いよ…。「お似合いです わね~。…にしても、昴くん、私のことはガン無視ですの ね」顔を真っ赤にする私。その一部始終をあの人が見てい たことは、全く気づいていなかった。

(匿名)
「まぁ、麗華様ですわ!」「麗華様、おはようございま す!!」校舎に入っても、歩く度に飛び交う歓声や羨望の眼差 しは後を絶たない。…まぁ、いつものことだから慣れては いるけど。それでも少し辟易している私に、斜め後ろを歩 いている葉月がこそっと耳打ちをする。「麗華ちゃん、あ の男子。少しかっこよくありませんこと?」そう言って彼 女が指差した先には、…ー私は思わずうっと言葉を詰まら せる。辺りをキョロキョロと窺いつつも、堂々とした足取 りで歩いている黒髪の男子生徒。その人物は間違いなく、 「…九条くん」「昴くんみたいな穏やかなイケメンもいい ですけど、ああいう硬派なタイプもいいですわよね~っ て、麗華ちゃん?何か言いました?」私はハッとして首を 横に振る。「ううん、何でもないの。…って、どうしてそ こで昴の名前が…」狼狽える私に対し、彼女はとぼけたよ うに言う。「え?別に何の気も無しに例として挙げただけ ですけど…。さすが麗華ちゃん、幼馴染みだけあって昴く んの名前に敏感ですわね」「もう、からかわないでよ ~…」葉月は時々、私の昴への恋心を知っていてこういう 風にからかってくることがある。…応援してくれるのは嬉 しいんだけどなぁ。彼女はからかうのに満足したのか、ニ コニコと嬉しそうにしている。そこでふと、私はもう一度 九条くんの姿を目で追った。歩くのが速いのか、私達とは だいぶ距離が開き、ずいぶん前方にいる。彼の周りにいる 女子たちは、彼の方を窺ってはひそひそと耳打ちしあって いる様子だ。ーやっぱり、世間的に見たらかっこいいん だ。その時、私の中に不思議な感情が渦巻いた。…この気 持ちは、何だろう?「麗華ちゃん。ホールに到着しました わよ。…麗華ちゃん?」「ああっ、ごめんなさい。少しぼ うっとしてたわ」「いえ、全然良いのですけど…。ーで は、行きましょう」そうして彼女は私の手をとり、入学式 が開催されるホールの中に入った。 ホールの中には既に沢山の人がいた。入学式というプレー トとともに、ホール全体が華やかに飾り付けられている。 私達は中学校からのエスカレーター式の入学だが、それで も気分が高鳴る。「みんな結構席に着いていますわね。私 達も行きましょう。…確か、座る席って自由ですわよ ね?」「…ええ、そうだったはず」百合薔薇学園の入学式 は、各々が好きな席に座り祝辞等を聞いたあと、点呼によ りクラスが発表される仕組みだ。私の返事を聞いた葉月 は、ニヤリと笑うと私を強引に引っ張っていく。「… ちょっと、葉月!?」「じゃあ、行きましょうか」言いつつ グイグイと腕を引っ張る彼女。ーどこに座るつもりなの!? しばらくして、彼女は立ち止まった。「…ここに座りま しょうか」彼女が指し示した席の近くには、…数人の男子 生徒と談笑している昴の姿。私は一瞬で顔が赤くーなった と思う。「え、ちょっと、葉月…別に、ここじゃなくて も」「そうと決まれば行きましょう♪」…葉月、絶対楽し んでる。彼女はルンルンした様子で私を押し出していく。 ー待って、まだ心の準備が…。「ごめんなさい、ここに 座っても良いですか~?」ぴたっと立ち止まったかと思う と、彼女は昴たちにそう声をかける。彼らが一斉にこっち を振り向いた。そして、「れ、れれれれ麗華様!?」「こん な近くでお目にかかれるなんて…美しい…」「れ、麗華様! 今日も素敵です!!!」昴以外の男子達が興奮状態で私に話し かける。…なんか緊張が収まったかも…。例の昴はという と。「ちょっと、麗華が困ってるって」と彼らを諭したあ と、「もちろんいいよ」と微笑みつつ答えた。…よかっ た。私は葉月の方を振り向く。…も。「あれ…葉月は…」 「橘さんならさっきどこかに走って行ったよ」昴がそう答 える。は、葉月…。最初からそういうつもりだったのか。 でも今は彼女に感謝だ。…入学式が終わるまで、昴の隣に 座れるから。私は椅子に腰を下ろす。さっき彼と談笑して いた男子達はというと、…椅子から転げ落ちて悶絶してい る。昴が私の目線に気づき、軽く苦笑した。「この人た ち、麗華のファンクラブに入ってるんだよね。間近で見ら れただけでも嬉しかったんだと思うよ」「…ファンクラ ブ?」そんな存在、初めて聞いた。「そう。麗華、人気あ るからね」「…昴もじゃない。かっこいいし、優しいし。 女子からモテるでしょう?」言いつつ私は横目で辺りを 窺った。男子女子、両方の視線がこちらに集中している。 「お似合いね~」「麗華様くらいよね、昴様に釣り合う 方って」そんな呟きも耳に入ってきた。ーまたこういう。 私は小さく溜め息を吐き、…そこでふと気づく。ー私、 今…かっこいいって言ったよね?「あ、昴…今のは違うの! いや、かっこいいのは本当なんだけど…」顔を真っ赤にし てそう言う私に、彼も心なしか頬を赤くして言う。

(匿名)
「…麗華も、可愛いよ」「…え」ー今、可愛いって。 「ーっ///」再び顔が熱くなる感覚がした。私は両手で頬を 押さえる。「す、昴…。じょ、冗談でも、そんなこと言わ ないで…」もうやだ、恥ずかしい。こんなに顔赤くした ら、昴に好きだってことがばれちゃう…。頬を押さえなが ら、悶々とする私。ふと、隣からクス、と笑う声が聞こえ た。「…そういうところも可愛い」「…っ、だから…」横 目で昴をちらりと見ると、さっきの男子達と談笑してい る。ー今のは勘違い、だったんだ。さっきとは別の意味で 恥ずかしい。私ばっかり意識して、ドキドキして…。ー やっぱり、昴は私のこと、なんとも思ってないんだろう な。当たり前のことに今更気づいて、キリキリと胸が痛く なった。「…麗華?」昴の心配する声が聞こえるような気 がしたけど。ー幻聴、だよね。はぁ、とため息を吐いた、 その時。優雅な鐘の音がホール中に鳴り響いた。「百合薔 薇学園の生徒の皆さん、ごきげんよう。ただいまより、第 130回百合薔薇学園入学式を開式致します」その言葉とと もに、ホールの照明が暗くなった。「えー、ではまず生徒 会長の挨拶から。鳳すみれさん、よろしくお願いします」 一礼してステージに上ってきたのは、お姉さまー鳳すみ れ。…そういえば、最近あまり話していないような。家が 広いからばったりと会う確率は低いとはいえ、それでも鏡 夜や詩乃とは会うのに、お姉さまとは全然鉢合わせしな い。…忙しいのかな。そんなことを考えていたら、いつの 間にか挨拶が終わっていた。その後も祝辞などが続き、し ばらくして。「では、クラス発表に移りたいと思います」 暗くなっていた照明が、パッと一斉に点く。その途端、生 徒達も少し興奮した様子になった。「ではまず、1-Aから。 ○○さん。●●さん…」どんなクラスになるのかな。ー昴 と一緒だったらいいけど…。ふと昴の方を向くと、ー目が 合った。え、と思ったのも束の間、昴がニコ、と美しく微 笑む。…心臓が持たない。「…っ、」どうしよう。私も何 か笑いかけた方が…。ーそう思ったけど、何もできなかっ た。せっかく、笑いかけてくれたのに…。その間にも点呼 は続く。「では、1-B…。□□さん…■■さん…。…西園寺 昴さん」「はい」その瞬間、キャーッと女子達がざわめ く。「え、私…昴様と同じクラスですわ!」「お願い、私 も同じクラスに!」しかし私はさらに落ち込んだ。…クラ ス、離れちゃった…。その後、葉月も1-Bで呼ばれていた。 …いいなぁ。2人は同じクラスか…。「続いて、1-C…朝比 奈舞さん」その瞬間、再び辺りがざわめいた。「え、朝比 奈舞って、あの…?」「やっぱり、本物ですわ!」つられ て彼女の方を見てみると、ーすごく美人だ。背筋がピンと 伸びていて、顔がものすごく小さい。「鳳麗華さん!」 「はいっ」急に名前が呼ばれて慌てて立ち上がる。そし て、当たり前のように辺りがざわめきに包まれた。「あれ が噂の鳳麗華様か…美しい」「神様っ、麗華様と同じクラ スにしてくれ…!」相変わらずだなぁ。「…九条隼人さ ん」「はい」聞き覚えのある名前に、思わず振り向く。昨 日から何度も顔を合わせている、黒髪の少年。何人かの女 子達が、きゃあっと色めき立っている。ー九条くんがいる なら、少し楽しいかもしれない。しばらくして、全てのク ラス発表が終わった。「では、これにて入学式を閉式致し ます。生徒の皆さんは、各自教室に向かってください」そ の言葉で入学式が終わり、一斉に生徒が動き始める。1-C か…。私も立ち上がろうとした、その時。「麗華、待っ て」突然手首を掴まれた。「す、昴…?」「急にごめん。 …麗華が落ち込んでるみたいだから、気になって」昴は私 の目をまっすぐ見据えてそう言う。私は慌ててかぶりを 振った。「ご、ごめ…違うの。私ばっかり昴のこと意識し て、ー昴は私のことなんて何とも思ってないのに…。しか も、昴と違うクラスだったから…悲しくて」って、こんな こと言ったら、私が昴を好きなこと白状してるようなもの じゃ…。昴が呟く。「…何とも思ってないわけ、ないよ」 「…え」思わず顔を上げると、さっきまでだいぶ上の方に あった昴の顔が、すぐ目の前にあった。25cm位ある身長差 をなくすため、屈んでくれたのだ。「僕は麗華のこと、小 さい時からずっと大切に思ってる。クラスが違ったって、 僕が麗華に会いに行くから」そして彼は立ち上がり、…私 のおでこにそっと、キスをした。「…じゃあね」そう言っ て彼は立ち去る。姿が見えなくなると、それまで静かだっ たホールが、一斉に歓声に包まれた。「私も昴様にあんな ことされたいですわ~!」「本当にお似合いの2人よね…」 「麗華様に手を出しやがって…。でも、王子なら許すしか ない…」私はというと、頭が真っ白なまま棒立ち状態だ。 ーこれは、期待していいの…?