ハッカーとは
ハッカーになろう How To Become A Hacker)
著者 Eric S. Raymond
esr@snark.thyrsus.com
Date: $Date: 2000/08/04 01:52:32 $
翻訳 山形浩生 <hiyori13@mailhost.net> + 村川泰
ベースとして中谷千絵 <jeanne@mbox.kyoto-inet.or.jp> の旧版に基づく訳を使用
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I. なぜこんな文書を書いたか
わたしは Jargon File の編集者なので、しばしば熱心なネットワーク初心者から「ウィザード級の大ハッカーになるにはどうやって勉強すればいいの?」といったようなお尋ねメールを頂きます。ところが不思議なことに、こんな大事な問題を扱った FAQ や Web 文書 はみあたりません。というわけで、自分なりのヤツを。
この文書をオフラインで読んでいるなら、最新版は次のところにあります。 http://www.catb.org/~esr/faqs/hacker-howto.html
なお、この文書のさいごには「よくきかれる質問(FAQ)」がついています。この文書についてわたしに質問を送りつけるまえに、まずそれを――二回は――読んでください
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II. ハッカーって何?
Jargon File には「ハッカー(hacker)」という言葉の定義が山ほどあがっています。そのほとんどは、技術的な熟達や。問題解決、限界を克服することといったような話と関係した内容です。でもハッカーになる方法を知りたいなら、ホントに関係ある定義は2つしかありません。
熟練プログラマやネットワークの天才たちのコミュニティないしは共有文化というものが存在しています。その歴史は初期のタイム・シェアリング・ミニコンピュータや黎明期の ARPAnet の実験にまで遡ることができます。この文化に属する人々が「ハッカー hacker」という言葉をうみだしました。ハッカーたちはインターネットを築きました。ハッカーたちが UNIX オペレーティングシステムを今日のような形にまで作りあげました。ハッカーたちが Usenet を運営し、World Wide Web が使えるようにしたんです。あなたがこの文化の一員で、それに貢献し、その文化のほかの人たちがあなたを知っていて、しかもその人たちがあなたをハッカーと呼んでくれるなら、あなたはハッカーです。
訳注:ARPAnet ARPA ネットワークとは国防省の ARPA の研究委託を受けた大学や政府研究機関を政府関係の研究で相互に情報を交換するために構築されたもので、インターネットの技術的基盤になった。RFC 991
ハッカー精神は、ソフトウェアハッカー文化だけに限られたものではありません。ハッカー的態度をその他エレクトロニクスや音楽などに発揮する人たちもいます――実はどの科学や芸術分野でも、一番高い水準ではこのハッカー精神が見られます。ソフトウェアのハッカーたちも、ほかの分野での似たような精神を察知して、それを「ハッカー(hacker)」と呼んだりします。さらにハッカー性は、そのハッカーが活躍する個別分野とは無関係に存在するという人もいます。しかしこの文書ではこれから、ソフトウェアハッカーの技術と態度、そして「ハッカー(hacker)」という言葉を生み出した共有文化の伝統に話をしぼります。
ハッカーを声高に名乗る別の集団が存在しますが、彼らはハッカーではありません。これはコンピュータに侵入したり、電話のただがけしたりする人々(主に男のガキ)です。本物のハッカーはこの連中を「クラッカー(cracker)」と呼び、一切関わりを持ちたくないと思っています。本物のハッカーたちはたいてい、クラッカーは怠惰で無責任であまり賢くないと思っています。車の点火回路をいじってキーなしで車を始動できても自動車エンジニアにはなれないように、セキュリティ破りができてもハッカーにはなれないよ、というのがハッカーたちの文句です。残念なことに、多くのジャーナリストや著述家たちはだまされて、クラッカーについて書くのに `ハッカー hacker’という言葉を使い続けています。真のハッカーたちはこれをとてつもなく不